60周年のご挨拶

福岡南ロータリークラブ
2017-2018年度会長
戸嶋和夫

福岡南ロータリークラブ創立60周年にあたり、ご挨拶を申し上げます。

私が福岡南ロータリークラブに入会させていただいたのは平成2年9月のことです。現在で27年目となります。現在の会員の方々で私の入会以前より会員だった方は24名で全員昭和の時代に入会されています。平成の入会では私が最古参となります。周年行事は50周年と40周年の二回を経験し、この60周年で三度目となります。

周年行事の企画実行にあたっては60年の歩みを一応おさらいしなければなりません。昭和32年の創立時のメンバーの方々の中には父の交友関係で何名かの方々(故人)がおられ、何度もお目にかかり、あるいは診察をしていただいた方もおられますが、当時私は小学五年生です。勿論ロータリーの事を聞かせていただいたことはありません。ですから創立以降昭和の終わりまで、当時の経緯や背景を自分で見聞きした出来事の如く述べるわけにはいきません。そこで頼りにしたのが10年毎の周年記念誌です。

たとえば一つだけ挙げさせていただくと、20周年の時は南動物園に記念碑を建てたことを知り、今回の実行委員会メンバーで南動物園に見学にいきました。
先々の周年行事を考えますと、この記念誌にどのような周年記念行事であったかの記述はあるとしても、準備として毎月1回の「60周年記念行事実行委員会」会議議事録(13回分)、計画段階での予算書、式典当日の台本、実行委員会立上げ時の記録などなどは記載されないと思います。そこで今回は準備・実行記録として先々の参考のために60周年記念誌と共に事務局に保存すべく、手配しました。

ところで、実行委員長をどなたにお願いするかでしたが、まだ正式に実行委員会は発足していません。そこで理事の方々のご意見も頂き、安部光壱前会長と私とで田中浩二元会長に恐る恐るお願いをいたしましたところ、お引受いただきました。新旧会長幹事歓送迎会の酒宴の席でした。

実行委員会を立上げ、この委員会の中で様々な事を決めましたが、今回はこの委員会の主要メンバー構成について、前述の24名の先輩の中から5名の方々に主要メンバーの一員としてご意見を頂きました。諸先輩の築き上げた60年を大切にしたかったからです。委員会は、総務部とプロデューサーを今回新設しました。この委員会のそれぞれの担当者が実に適任で、円滑かつ迅速に準備が進行しました。

昨年から月1回開かれる実行委員会でそれぞれ積極的な発言・提案がなされました。古参の方々からの納得できるご意見と、比較的新しい会員の方々からの理に適ったご意見とが飛び交い「おお、南ロータリークラブが生きている」と、こっそりと嬉しくなりました。「これでこそロータリー」です。
最初は重かった「60周年の時の会長」でしたが、今ではまことに光栄に思う次第です。

諸先輩、会員の皆様 おかげさまで創立60周年を迎えました。
「ありがとうございます」。


60周年記念事業実行委員長
田中浩二

福岡南ロータリークラブは今年60周年を迎えた。人間で言えば還暦である。まだ寿命が短かった時代、60才は長寿でめでたいとされ、盛んにお祝いされた。
当クラブは福岡地区で3番目に古く、創立は1957年(昭和32年)12月5日である。さすがにチャーターメンバーはいないが、最年長者は97才で、この方は48年間皆勤という類いまれなお人である。いずれにせよ、大変おめでたい事だと思う。私は在籍四半世紀に及ぶが、全く活動的ではない会員であり、60年間の我がクラブのかくかくたる活動実績を記す能力がない。お詫びし、お許しを得てささやかな私事を書かせて頂く。

馬齢を重ねるにつれて、夜就寝するのに一定のルーティーンが必要になった。若い時は酒を飲んでその勢いで寝てしまうことも多く、また寝酒にちょっと一杯ということもあったが、最近は少しの晩酌以外の深酒はしなくなった。まず、8時以降はそれでなくても弱い頭は使わないこととし、パソコンでやる好きな碁もしないで、ぼんやりテレビを見る。話はそれるが、世の中便利になったものだ。月々2,500円ほど払ってパンダネット囲碁クラブに加入すれば、好きな時に全世界の人とライブで碁を楽しむ事ができる。碁会所に足を運んで、眼前の人と対話しながらの方が健康的だとは思うけれど。9時頃から「鬼平犯科帳」や「剣客商売」を見る。原作者はとうに亡く、新しい作品は無いが、古いものが毎週放映されているのでそれを録画しておく。「記憶力なくして楽し再放送」という川柳を地でいっている。
10時過ぎにベッドに入り、藤沢周平氏の本を読む。ベッドに入ってからの読書は良くないこととされているが、どうもこのくせは治らない。短編が多く長編であっても一話ずつ区切りがあるので、寝る前の軽い読みものに適している。「市井もの」と「武家もの」があり、前者は暗い話が多いので読んだとしても口直しに武士の世界を垣間見る。この作者は今年没後20周年にあたるが、晩年になるにつれ、深刻なもの、悲劇的なものから、ユーモラスあるいは痛快なものを書くようになったと思う。睡眠時間は長いほうで8時間は寝ないと翌日の午前中ぼんやりしている。なるべく12時前には眠るように努めている。
時代物作家は多いが、私は池波正太郎氏や藤沢周平氏を好む。4月に体調をこわし、一ヶ月あまり入院したことがあるが、「用心棒日月抄」や「よろずや平九郎活人剣」を繰り返し読むことによって、長い病院の夜を過ごすことができた。
「三屋清左衛門残日録」や「蝉しぐれ」などは傑作だと思う。氏は鶴岡の生まれで寒くて暗い北国の物語、そして江戸の話が多い。どの作品にもさりげなく美しい自然の情景が編りこまれている。毎晩同じことの繰り返しでもはや進歩や発展には縁がない。

終りにあたり、福岡南ロータリークラブの今後ますますの発展をお祈りする。